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顧客との関係性と、顧客の生涯価値を考えてみる。


顧客の生涯価値
顧客の生涯価値(LTV)

●顧客の生涯価値で、考えてみる

通常、モノを売るにあたって、その収益ポイントは、そのモノの交換の時・・・小売店なら販売時、B2Bの卸売ならばモノを売り渡した時。そして、その代金の回収時。 大体、そうですよね! しかし、最近は様々な収益ポイント(機会)の組み合わせの考え方が増えて来ました。ひとつはITの技術進化のお陰と、「顧客の生涯価値」(LTV=Life Time Value))の最大化の考え方が事業戦略の中に、浸透して来た事だと思います。

つまり顧客との関係性を深め、その顧客に対して、長く価値を提供する=収益を頂く事を最大化する事です。

・・・その理由は、➀新規顧客の獲得には、ものすごく手間とコストが掛かる。

そして、➀日本においては人口動態の関係で顧客数が確実に減っていくからです。

特に財(物品)を販売する事業で、サービス業務との融合を狙う事業体が増えてきた傾向があります。 有名な話では、建機のコマツがIoT(モノとインターネットの繋がり)の技術を使い、建機の稼働管理、メンテナンスのサービスを事業化した事です。しかし、機械メーカー等では、メンテナンス市場で「稼ぐ」と云う考え方は昔から結構あります。

代表的なものはエレベーター・エスカレーターのメンテナンスです。年間でのメンテナンス契約をして大体3か月に1度、点検等を行う。メンテで儲ける業種とも云われてました。※ちなみにエレベーターの法定点検は1年です。

●アフター市場、商品・サービスはあるのか?

販売するモノが、繰り返し買って頂けるようなモノならば、いかに顧客ファンをつくるか!が戦略にカギになります。例えば化粧品等は最たる例です!

しかし、そうで無いモノを売る事業は沢山ありますが、そこにアフター市場はあるでしょうか?

考えて頂ければ、大方の商売にはアフター市場があります。 問題は、その市場や顧客に継続的に事業・サービスを提供するか?どうか!それをちゃんと考えているか?どうか?

それも事業モデル~事業戦略設定に成ります。 ・・・場合によっては、なんでアフター市場があるのに、ちゃんと商売をしないの??と、疑問に思う業界もあります。

当方が関わった一例としては、ブライダル業界です。少子化、晩婚化でブライダル業界は顧客獲得の為に、熾烈極まりない競争をしています。 しかし、やっと獲得した顧客に売るのはブライダルの関連・・・式・披露宴・衣装等・ジュエリー・・・せいぜいハネムーン旅行までです。

完全に顧客のキャッ&リリースです。


取得する顧客情報の意味で言えば、新郎新婦のみならず、その両親の情報。それから、結婚後の住所、場合によっては子供が出来るか?どうか?まで情報を得てるのに、ほぼ放置です。せいぜい式場がホテルならば1年目の結婚記念日に、関連レストランの案内程度です。顧客のライフスタイル状況まで見えているのに、もったいない話です。 同様な例は他にも・・・マンションや住宅販売。自動車販売。 最初の商品が高額だと、あまりアフター市場を狙わない傾向が明らかにあります。不思議です! 昨今は、サブスクで、継続的に!・・・何とか継続的に顧客に関わるスタイルも増えています。※多くのサブスクは、長くは続きそうにありませんが・・・その話は過日に・・・ 意外にB2B事業の方が、コマツの様にアフター市場狙いは考えているかと思います。


●顧客の生涯価値=LTVで考える事!

LTV(顧客の生涯価値)と云うのは非常に重要な考え方ですし、指標です。 特に人口減少する日本においては顧客基点で提供価値(モノを通じて)を様々に多面化する事も大事です。・・・その顧客との関係性を如何に深めるか!です。


顧客に価値を提供し続ける!仕組みを持つ事は、人口減少が続き、あらゆる市場が縮小する日本においては、これからは重要なのです。

そして、そのポイントは情報です。貴社の販売するモノを基点として、顧客にとって価値ある情報を提供し、その情報から新たな購買に繋げていく仕組みが必要です。

ブライダル業界ならば、暮らしに関する情報、出産・子育てに関する情報になるでしょうか・・・


・・・かと言って何でもかんでも!売ろう!ではありません。 中核事業のコンセプト=提供価値(コア・バリュー)を逸脱するのは逆効果です。ブライダル産業ならば、家族の「幸せ」に関わるモノでしょう! まず、しっかりとした事業戦略を持ち、しっかりとした自社のコンセプトがあればこそ顧客の生涯価値=LTBの最大化が狙えるものです。

顧客を知り、顧客の事を考え、顧客の価値を提案する機能が、企業内に必要です。それを考察するのが事業戦略つくりです。その機能が事業の収益性の基本です。

収益機会は、今、そこに在ります!

経営者=社長ならば、それを考えなければ成りません! 一度、お考えになってみて下さい。


マーケティング・プロデューサー

原テルキ

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