・・・闇雲にモノを売っても売れません!顧客までの距離を知りましょう!
●顧客までの道のり
例えば、何か新しい商品やサービス(モノ)を作り出した!また作り出そう!とする時、普通は、どうやって売ろうか!誰に売ろうか!どこで売ろうか!・・・と考えますよね! それが従来の商品群と同じならば、既存顧客への提案~販売なので、顧客までの距離は短いと考えられます。
しかし、新規事業や起業したての方には既存顧客は、基本的に居ません。これから顧客開発です!その時に考えなければ成らないのは顧客までの距離です。
その顧客までの距離とは何でしょうか?
まずはターゲットとなる顧客へのコンタクトまでの手間(コスト)。これは新市場開拓であるとか、まったくの新商品の顧客開発の場合は、その顧客のコンタクト・ライン探しから始まります。 つまり相当、顧客までの距離が長い事になります。勿論、充分なコネやネットワークが既にあるんだ!ならば良いのですが、多くの場合は1からのスタートです。 もう一つは、ニーズの掘り起こしの手間(コスト)です。 これは例え既存顧客であっても、新商品を紹介~提案していく活動は結構大変です。そして・・・「いらない!」と言われるケースも多々あります。 常に新しい商品・・・提案性の高いモノは、最初は拒否されるケースが多いですし、新しい商品が故に、その価値を理解頂くのに手間と時間が掛かるものです。
これも、顧客までの距離です。 しかし・・・事業を進める以上は、その様な提案型商品=価値の高いモノを売らねば成りません。・・・で、なければ、既存顧客に既存商品(同じようなモノ)ばかりを売っていると確実に先細り、収益ダウンに繋がります。
売りやすいモノだけでは、競争には勝てません! それが故に、事業戦略上、新しいモノ=新しい価値の開発~販売は不可欠です。
新しい商品や新市場開拓の場合、その顧客までの距離・・・ニーズの掘り起こしや、手間等を事前に洞察・予測する必要がある!顧客までの道のり(距離)を予測する!と云う事です。 この距離は様々な事に影響します。
まず、価値を理解頂く為のコミュニケーション戦略~営業・販売の資源投下、販促活動やPR活動等の費用や時間・手間。それから、その新しいモノが収益を生み出すまでの時間=コスト等を、相応に計画していないと事業として息切れが起きます。
逆を言えば、効果的に顧客までの距離を詰める方法を見出せば、独自の販路ネットワークとなって事業の強みにも成ります。
●最大の問題は、組織モチベーション
それから何よりも、営業・販売に関わる人のモチベーションの問題です。あっちこっちで売り込みが断られると、モチベーションは低下し、その結果、新しい商品が「これは売れない!」と云う評価になってしまいます。 当方は、様々な会社で、新しいモノ~客観的に観れば「良い商品」が、その評価で消え去っていく事例を多々見ています。 事業戦略上、最初から距離が遠い!と考えれられるのなら、戦術レベル=提案資料、販促、営業へのレクチャー等で準備が図れるはずです。中小企業の場合、この工程をちゃんと取らないケースが多いのです。 また悪い結果が続くと、企業内の商品サイドの担当者のモチベーションも落ちます。結果、売れそうなモノ・売りやすいモノ・・・実は収益性が低いモノばかりを売り、会社の収益性も下がって行く! ・・・経営者の皆様!思い当たる節はありませんか?
●顧客までの距離を詰める・・・事業戦略の課題
顧客までの距離を、収益性やコミュニケーション施策と共に、事業戦略化してこそ、新しい価値提案が可能になるものですし、その環境が組織になければ誰も高い目標も持ちませんし、チャレンジもしなくなります。 それは顧客から見れば、何も提案の無い企業です。
新商品開発・販売、新しい市場開発には、チャレンジングな活動が必要です。顧客までの距離を理解しつつ、そこに到達する戦術=計画・作戦をしっかりと立てて行く事業戦略の構築が必要です。
「売って来い!」だけでは、そう簡単に売れませんし、モチベーションも持ちません!
何かを売り始める時には、事業戦略的に考え、顧客までの距離を理解した上で、その施策体系を設定し行動する。
「苦労は最初から解っている!だから、こうする!」の体系です。それが顧客までの距離の理解です。
新しいモノへの挑戦、新しい市場・顧客への挑戦は、事業には不可欠な要素です。売るのが大変だあ!で、挑戦を止めていれば事業成長はおろか、事業の維持すら出来得なくなります。 もちろん結果的に「ダメ」だった!と云うモノや市場はあります。 企図通りに売れない事は、ある種の事業の法ですが、「売れる」様にする為の戦略・・・まず、「顧客までの距離」を、お考え頂きたいのです。 Categry戦略プログラムでは、「顧客までの距離」も含めたモノへのニーズ、提供価値へのニーズ分析を踏まえ戦略化する要素を組み込んでいます。
マーケティング・プロデューサー
原 テルキ