●貴社の業務の効率化は、本当に正しいか!?
・・・正しい業務の効率化を行っていますか?
「業務の効率化!」と言う言葉が、やたらとネット等に溢れている!多くはシステム系のサービスの販売文句に使われている。そんなに効率化が「エライ!」のか考えてみたい。
まず効率化とは何か?その意味を明確にしたい。ネット辞書では、こう解説されている・・・効率化(こうりつか)とは、特定の作業やプロセスを改善し、同じ入力でより多くの出力を得ることを指す。これは、時間、労力、資源の節約を目指す行為である。(※Weblio 辞書)
つまり、どちらかと言うと入力=手間・コスト・時間等を削減して、同じ出力=「効果」を得る!事の様だ・・・
・・・「いい事じゃ無いか!」と、云われるでしょう!
事業において、無駄を省く事は良い事ですし、コストが下がり営業利益は増える!
そして、当方も「その通りですね!」と、同意はします!・・・が・・・
しかし「効果」=出力の点で視れば、同じな訳ですよね!
例えば、10人に行っていた仕事で、100の効果=出力があったとして、それを8人で出来る様になったとしたら20%の効率化=入力改善の達成ですが、出力=効果は100のままです。
いわゆる一人あたりの生産性はアップするが、全体の生産性は同じです。
・・・昨今の効率化議論の問題はココです!
生産性=生み出した付加価値は同じなのです。昨今の効率化の話は、ここに大きな問題がある。そこで、よく言われるのは削減した2人を、効果が上がる業務に充てよう!・・・ですが、それは何なの?・・・そこの話は大概、お茶を濁して、具体性が無い! 効率化推奨の話は、大体そうです。
・・・とにかく効率化を図りましょう!・・・で、終わり!
どちらかで言うと、コストダウン~口減らしの話の様で、気持ちが悪いのです。
それは失われた30年で日本企業がさんざん行ってきた事です。
いつも言いますが、当方は業務や事業プロセスの効率化を否定している訳では有りません。効率化を協議するには、効果を上げる事も同時に行うべきだと!申し上げたいのです。
効率化は概ね「部分最適」の話です。
そして効果は、「全体」の話なのです。部分だけを色々捏ね繰り回しても、本当の稼ぎには繋がりません!稼ぎとは「全体」が生み出すのもです。
だから、事業の全体戦略構築からの、お話をおススメしている訳です。
●経営者が考えるべきは「全体」=事業の効果です!
業務の無駄を省き、効率化を狙うのは大事なのですが、事業とは、如何に出力=効果=付加価値を生み出すか!基本はココです!
それには、全体の目標設定が明確化していないと出来得ません。その上で事業プロセスの各要素である、「部分」の改善=効率化を考える順序です。
そして全体の効果を上げるのは経営者の仕事です。 そして、逆説的に云えば、この全体の効果=付加価値を上げる為には、事業プロセス(工程)の効率化が重要になってくるのです。
考えてみて下さい。事業の付加価値を高めるには、既存事業の変革が必要です。特に顧客への提供価値を高めない限り、付加価値は上がりません!それが事業変革です。それはノウハウの掘り下げであったり、サービスとの融合であったり、顧客の問題解決の手法であったり、商品やサービス、そして、その提供の仕方(売り方)の変革です。 これまでと同じように業務を行っていては、それは出来ません。全体から見て様々な事業工程を改革~変化させて行かなければ成らないのです。
それこそが、全体の効果を上げる為の、効率化の追求です。
部分だけでは無く、全体から視た効率化です。
それでは、その効率化の目標は、一体何に成るでしょうか?
●目指すべき効率化の目標は、スピード!
やや言葉遊びになるかも?ですが、先ほど記した10人の仕事を8人で出来る!も大切ですが、目指すべきは10人なら10人での仕事を、例えば10日掛かっていたものを8日で終える!その効率化の結果は、同じ20%かも知れませんが、時間と言う貴重な入力資源の削減です!時間の補充は出来ません!
出力=効果増大を狙う効率化の基準を時間を軸に、お考え頂きたいのです。
特に、事業改革・改善には、時間感覚=スピード意識が重要です。組織論的に云えば中々、組織=人の集まりを変えるのは難しい=時間が掛かる! その目標設定において、時間(改革スピード)を明確にしていく事!この事を、真ん中に置いた効率化を明確化すべきなのです。
特に中小企業は、人材の問題やら、デジタル活用のスキルの問題やらで、どうしてもスピード感が落ちます。その様な組織改革が遅れ気味になります。当方は、多くの企業を見て来た印象として、中小企業は常にスピード意識に欠けます。効率化云々よりも大きな課題です。
故に、事業の効果アップ、事業むプロセスの効率化=事業改革・改善は、経営者の方が推進しなければ成らない事項です。
業務の効率化!と、本質的にはカンタンな話では無いですし、効率化と効果の、使い分けをしなければ、業務の効率化に、ほぼ意味は無いのです。
その事をご理解お願い致します。
その為には、事業全体を考える事業戦略の構築をおススメします。
マーケティング・プロデューサー
原 テルキ